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IC-351(ICOM 430MHz 10W FM/SSB/CW トランシーバー)の修理

1980年頃の製品 ¥149800 外観は非常に綺麗 傷ひとつありません あまり使っていなかったのか!!

昔のCPUの為EEPROMが無く電源を切ると設定を全て忘れてしまいます。メモリCHが4CHのみ

もっとも設計はSWで24時間CPUに電圧を掛けてバックUPするようになっています。電源コードさえ繋いでおけばOKです。

車に搭載した場合は常時電圧を掛けっぱなしにしています。

マイクが特殊です。マイク内にTR1石のAMPが入っています。普通のマイクでは音量不足です。

SSB時のVFOステップが100Hzのようです。音がデジタル的に変化します。

TSスイッチでFM時1KHzステップにもできます。センターメーターが付いていますので完全に0インできます。

故障の症状は 送信不能 / 受信は感度悪いが可能 / 1MHzUPボタンが動かない / 照明ランプ断

上蓋を取ってみました。

後ろに SC1016 と言う ICOM 型番のパワーモジュール 現在廃品で高価

左の基板の左側は受信回路、中央は定電圧、右側は送信回路です。

手前の基板上のつまみはVOX関係/中央にクリスタルフィルター/またDXスイッチが有りますが、同軸に電流を流すだけです。

下部の状況/CPUコントロール回路です。

右側のサブ基盤がレピーター用88.5Hzトーン(オプション)

レピーターを使うときはAVFOとBVFOに5MHz違う周波数をセットして使います。

上と下の基板の間にPLLの基板が入っています。CPU基板を取り外さないと見れません。

後ろのアルミケースはスイッチング電源部です。電源トランスがなく軽量小型

PLLとCPU周りはブラックボックスで回路不明です。ICの数が多いです。

受信は60db位の信号を入れるとやっと確認できます。非常に異常です。

PLLの出力OK

発見、各部の電圧を確認すると常時9Vの電圧が4Vしか有りません。

定電圧回路です。PWトランジスターには放熱板が付いています。コレクターに電圧がかかっていません。

入力は13.8V来ています。?

基板を外して確認

原因はこれでした。2.2Ωの抵抗が焼き切れています。交換してOK

SSBの時はあまりSメーターが振れません。こんなもんでしょうか?

ダイヤル左下の1MHzUPボタンはなぜ動かないのか不明 / 回路図ではCPU基板につながっています。

実物から回路を復元しないと!

同じボタンでダウンは良好に動きます。ボタンの不良ではありません。

オープンで1.7V 押すと0Vに変化しています。100KΩでプルアップしてありました。

CMOSのIC入力にはオープン電圧が低すぎる感じがします。4011の8番ピン入力につながっています。

コントロール基板のロジックICを1個交換してみましたが変化ありません。変化なし?

WEBで他の方も同じ症状を書いていましたが、なぜでしょう?


2010/8/4

0.1μFの円盤型のセラミックコンデンサーが多数使われています。当初ICの電源ノイズ防止用かと思いましたが、パターンを追うと、そうではありませんでした。信号回路にたくさん入っています。おぼしきコンデンサーを外し測定したところ0.07μF位しかありません容量が減少しています。念のため基板上の電解コンデンサー、他のセラミック等を交換しました。

1MHzUPボタンの動作OKになりました。コンデンサーの容量変化のようです。

以下実測してみました。まだまだ使えそうです。

    FMのスケルチ感度 -20db

    12db雑音抑圧 -12db

    Sメーター S9の時の信号入力は 2db

    SN12db感度SSBは -15db 

    出力は 16W  2次高調波 -60db

機器の修理も探検みたいで面白いですね!他の方の修理記録は参考になります。